薬師寺 玄奘三蔵院

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薬師寺主要伽藍の北東に位置する玄奘三蔵院は、平成3年に建立されました。
その名の通り、中国(唐)の高僧だった玄奘三蔵を祀った寺院で、新しくきれいな建物です。
玄奘三蔵は、有名な孫悟空物語に出てくる三蔵法師のモデルとなった高僧です。
三蔵は釈迦の教えの「経」、仏教者の守るべき戒律の「律」、経と律を研究した「論」の三つを表し、これを究めた高僧を三蔵法師と呼んでいました。
そのため三蔵法師は数多く存在しましたが、玄奘三蔵は特に優れていたため、三蔵法師といえば玄奘三蔵のことを指すようになりました。

玄奘三蔵は、天竺(インド)での勉学を通じて瑜伽唯識(ゆがゆいしき)の教えを究めましたが、それを継承しているのが法相宗(ほっそうしゅう)です。
薬師寺がその法相宗の大本山であったところから、玄奘三蔵院伽藍が建立されました。

この玄奘三蔵院は、特別公開時のみ見学可能となっています。
入って最初に目に入るのが玄奘塔で、そこに玄奘三蔵像が祀られています。
大川逞一仏師の手によって作成された玄奘三蔵像は、右手には筆を、左手には貝葉(お経)を持っており、玄奘三蔵が天竺から持ち帰った般若心経等のお経を翻訳している様子を表しています。

玄奘三蔵院はぐるっと反時計回りに1周するようになっており、その一番北側に日本画家の平山郁夫氏が30年かけて制作したと言われている「大唐西域壁画」が安置されています。
大唐西域壁画は玄奘三蔵の天竺への道のりを13枚の壁画で表しており、高さ2.2m、横幅は全て合わせて49mと、壮大なスケールの作品です。
更に天井には太陽と星空が描かれており、床の248枚のタイルはベージュ色が砂漠、水色がオアシスを表しています。
大唐西域壁画は完全な屋内スペースに安置されており、突然立派な博物館を訪問したような錯覚を覚えます。
青丹良し(あおによし)カラーの建物が建ち並ぶ薬師寺主要伽藍とは、また違う魅力に溢れた独特の空間です。
この「大唐西域壁画」が安置されているスペースには薬師寺関係の方がおられますので、質問すれば玄奘三蔵の足跡や平山郁夫氏にまつわるエピソードを、丁寧に教えてもらえます。

特別公開時は、薬師寺拝観料が300円アップして800円となりますが、「大唐西域壁画」や「玄奘三蔵像」を擁する玄奘三蔵院は見応え十分です。


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